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2018.10.22

リーダーシップにつながるコミュニケーション能力

少子化や核家族の増加、また地域社会とのつながりの希薄などで、現代は、コミュニケーション能力が育ちにくい時代と言われています。 しかし、インターネットの普及での情報過多や国際社会、多文化共生社会がますます進む21世紀には必要不可欠なスキルの一つとなっており、最近では、企業が選考時に重要視する要素の上位にも含まれています。
今回は、この「コミュニケーション能力」について、親子で育む方法やリーダーシップとの関係を研究した事例などをご紹介したいと思います。

  ■これからの時代に求められる能力とは

れからの時代を生き抜く子どもたちに必要なスキルは、「21世紀型スキル」と言われています。 読み書き計算などの「基礎力」はもちろん大切なのですが、それにプラスして、問題解決力や創造力といった「思考力」、さらには行動力やコミュニケーション能力といった「実践力」のことを指します。
グローバル化やAI(人工知能)がますます発展し、多様な価値観を持つ人々と協力・協働しながら課題を解決することが求められる未来では、より一層「コミュニケーション能力」が重要となってくることでしょう。  

■コミュニケーション能力を伸ばす方法

コミュニケーション能力を伸ばす方法は様々ありますが、今回は、親子で即実践できる方法をいくつかご紹介します。

①挨拶:「おはようございます」「ありがとうございます」など、まずは基本を教えましょう。コミュニケーションの第一歩となります。

②親子間の会話:「Yes」「No」で答えられない会話がより効果的です。キャッチボールをすることが大事です。 例)NG会話 親:「今日の夜ご飯は、〇〇でいい?」 子ども:「いいよ~」 OK会話 親:「今日の夜ご飯、何食べたい?」 子ども「○○がいいな~」

③子どもの話をしっかりと聞く:子どもの目を見て、共感してあげることが大事です。

④いろいろな人と接する:同年代のお友達に限らず、年下、年上、大人など、幅広い年代の人と接する機会を持ちましょう。相手を知る(様々な考え方、価値観がある)ことから学ぶことも多いです。

このように、コミュニケーション能力は、家庭での心がけをほんの少し変えるだけで伸ばすことができます。 コミュニケーションが育ちにくい時代と言われている分、大人が意識してあげることがとても重要ですね。

 

  ■コミュニケーション能力とリーダーシップの関係

次に、今回のテーマである「リーダーシップにつながるコミュニケーション能力」という観点から、
<コミュニケーションスキルレベルの異なる子どもの集団内行動の分析>の研究をご紹介します。

対象:4歳児(スキルレベルが高い子ども3名・低い子ども3名)
※コミュニケーションスキルレベルの測定は、幼稚園の自由遊びの時間において、発話行動のカテゴリー(肯定的発話・否定的発話・要求/指示など)を基に分析している。 

 

●単独行動の割合

 

●仲間入り行動の観察数とそれに対する他児の反応

こちら2つの表からは、スキルレベルが低い子どもは、単独で活動している時間の割合が高く、さらに遊び集団への仲間入りを頻繁におこなう傾向にあることが分かります。
しかし、他児からの反応が必ずしも肯定的であるとは限らず、仲間入りの試みはスムーズに行われない場合もあるようです。  

●要求・指示・提案の発話数

リーダーシップ行動のひとつと捉えられる要求・指示・提案の発話数の違いは、とても顕著に表れています。
スキルレベルが高い子どもは、特に「指示」の発話が多く見受けられます。
「指示」の内容を持つ発話は、リーダーシップを強く示しやすい行動であることから、スキルレベルが高いとより多くの場面でリーダーシップを取っていたことが窺えます。  

●要求・指示・提案の発話に対する他児の反応

スキルレベルが高い子どもは、他の子どもから肯定的に受け入れられることが多いことが分かります。  

●他児から勧誘を受けた回数

勧誘を受けるということは、他の子どもから人気があると捉えることができます。

これらの研究から、コミュニケーションスキルレベルの違いは、多くの行動や他児との関係において差が出ています。
スキルレベルが高いと、単独行動も少なく他児から受け入れられやすい傾向があり、また、リーダー的な行動も多く他児との関係性も良好であることが分かります。  

 

■まとめ

幼児期には、特に一番身近な存在の保護者が子どもときちんと向き合って言葉を交わすことが大切であり、それは、コミュニケーションスキルを高める第一歩となります。
普段の会話の視点を少し変えてみることや、お子さまの話を親身に聞いてあげることなど、簡単にできることから始めてみましょう。
また、コミュニケーションスキルが高いと、他児に受容されやすく人気があり、結果、自己肯定感が高まって自信や意欲にもつながっていくと、プラスに作用することが多いです。
幼少期からコミュニケーション能力を育むことで、将来、あなたのお子さまが組織を率いるリーダー的存在になる傾向も高まっていくことでしょう。  

 

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参考文献・資料
子どもたちのコミュニケーション能力を育むために 
https://www.geidankyo.or.jp/12kaden/sites/default/files/pdf_com20110829.pdf

2015年度新卒採用に関するアンケート調査結果の概要 https://www.keidanren.or.jp/policy/2016/012_gaiyo.pdf

幼稚園4歳齢児の言語コミュニケーションスキルと遊び集団における他児との相互交渉 https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/2/22795/20141217140205102275/AA11618725_56_303.pdf

「21世紀型能力」の明確化で教育はどう変わるのか? https://berd.benesse.jp/up_images/magazine/kou_2014_08_06opinion.pdf

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