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2018.10.15

子どもは遊ぶのが仕事?現代を生き抜くための「遊び」のちから

「よく遊び、よく学べ」「子どもは遊ぶのが仕事だから」という言い回し、誰もが一度は聞いたことがありますよね。
遊びと教育、遊びと仕事、どちらも人間が人間らしく生きるために大切なことですが、実際のところ両者にどのような関係があるのか気になったことはありませんか?

遊んでばかりでも勉強ばかりでも、子どもの健全な成長には繋がりません。コンピューターやスマートフォンの普及により様々な学識や知恵を世界中の人々と手軽にシェアできるようになった現代だからこそ、幼少期から知力・道徳力・体力をバランスよく育み、コミュニケーション能力といった社会性を「生きる力」として身に付けることが求められています。

1986年 とある研究チームが「幼少期に質の良い遊びをたくさん経験すると、その後学歴や人間関係、年収などに大きな影響を与える」という研究データを発表し、話題となりました。

質の良い遊びとはどういうことでしょうか?
遊ぶことが子どもたちのどんな能力を育てるのでしょうか?
今回は、そんな「生きる力を育む子どもの遊び」についてまとめました。  

 

■青年期以降に大きな差がつく!「遊びから学ぶ教育」がもたらした影響とは?

「ペリー就学前プロジェクト」は、アメリカ・ミシガン州にて1962年に始まった幼児教育に関する研究プロジェクトです。

幼児期の子ども(3~4歳)を対象に、

「平日は幼稚園にて毎日2.5時間 教諭1人当たり幼児約6人の少人数保育を行う」

「ひとりひとりの進度に合わせた自由度の高い教育カリキュラムを実施する」

「毎週1.5時間の家庭訪問をする」

など、2年間にわたって質の高い幼児教育を継続したところ、幼児教育を全く受けなかった子どもたちに比べ15歳時点での学力高校卒業率が高く、また、40歳時点での最終学歴・年収・持ち家率が高いという統計結果が発表され話題となりました。また、生活保護の受給率が低く逮捕歴や犯罪率も低いことから、質の高い幼児教育は社会経済的にも良い効果をもたらすことが分かっています。

この研究では、幼児たちが遊びの中で学んでいくという教育プログラムを採用していたことから幼児期(3~4歳)に「遊びを通して知的好奇心を育む学習法」を継続して実践すると、青年期以降に大きな差がつくことが検証されました。

■遊ぶことによってどんな力が育まれるのだろうか?

幼児期から「遊び」を活用した教育を学習方法に取り入れることは、お子様の将来をよりよいものにするといっても過言ではありません。ではそもそも、遊びのどんな要素が子どもたちの成長に影響を与えているのでしょうか。

遊びとはなにか、について東京大学大学院教育学研究科の教授である市川伸一氏はこのように語っています。

「①遊びは自由な活動である。

 ②遊びは自発的な活動である。

 ③遊びは自己目的的活動である。

 ④遊びは、喜び、楽しさ、緊張感を伴う活動である。」  (遊びとはなにか/市川伸一氏HPより引用)  

 

遊びが与える影響①興味・関心を持てるようにする

遊ぶことは、知的好奇心・探求心を育み、自分から物事に挑戦する姿勢を育てることに繋がります。何か新しいことを始めたり、好きなことを見つけたり、意欲的に生きていくために必要な力となります。  

 

遊びが与える影響②こだわりや個性、想像力を発揮させ、他者との協働を覚えさせる

ひとり遊びや保護者との遊びの中で感性を磨き、自由で独創的な発想力や創造力を育む一方で、お友達など自分以外の対等な存在とのかかわり方を学習していくことは、人間関係の調整や、自分自身の価値や存在を肯定する力に繋がります。  

 

びが与える影響③課題解決力を伸ばす

やりたいことがあるのにうまくいかないという状況になった時、子どもは目標を達成しようとする意志を実際の行動に結び付けるために戦略的な考えを巡らせます。そのなかで、困難に立ち向かう方法を編み出し、時には自制したり、我慢したりもしながら思いをかなえるスキルを体得していきます。

■まとめ

「遊ぶこと」は知的好奇心を育み、他者との関わり方を身に着け、困難を乗り越えるマインドとスキルを得ることに繋がる、と言えるでしょう。日々の生活の中には、公園へお散歩、追いかけっこ、プロレスごっこなど道具を使わない遊びや、積み木遊び、砂遊び、お絵描き、おままごとなど道具を使う遊び、ありとあらゆる遊び方があります。是非幼少期から様々な遊びを経験させて、「生き抜く力」を育んであげてください。  

 

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参考文献

ワイカート・レポートの概要とその意義一幼児教育カリキュラムの追跡比較研究(Ⅰ)(1987.加藤 泰彦/ 平松 芳樹 )

ワイカート・レポートにおける「結果」について一幼児教育カリキュラムの追跡比較研究(II) 一(1987.北川 歳昭/ 加藤 泰彦)

教育のためのハイスコープカリキュラム(1995著:デビット P. ワイカート・ローレンス J. シュヴァインハートーハイスコープ教育調査財団/訳:玉置 哲淳 岸田 百合子 )

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