子どものイメージ力を引き出すオノマトペの魅力
子どもたちは、日頃、生活や遊びの中で何かをイメージしながら、その世界を楽しんでいます。
このイメージ力を伸ばす手段として、体験や経験をたくさん提供してあげることはもちろん大切なのですが、今回は、普段何気なく発している言葉『オノマトペ』について、ご紹介したいと思います。
■『オノマトペ』ってな~に?
この言葉を初めて耳にしたママたちも多いのではないでしょうか。「オノマトペ」とは、擬声語・擬態語の総称で、例えば、犬を「ワンワン」と言ったり、食べる時に「モグモグしようね」と言う具合に、言語習得の発達段階にいる子どもたちにとっては、かかせない言葉となっています。
物事のイメージがしやすく分かりやすい、かつダイレクトに伝わるのが特徴です。
また、日本語には約5,000種類もの「オノマトペ」があると言われていて、外国語と比較すると圧倒的に多いです。
■子どもの生活の中で見られる『オノマトペ』
子どもたちにとって、日常的に使う言葉「オノマトペ」。まずは、身の回りでどのようなオノマトペがあるのか、次の3つの場面において一例を見てみましょう。
①つぶやき
・歩くときに「ペタペタ」
・回るときに「クルクル」
・嬉しいときに「ワクワク」
②遊び ・車あそびで「ブーブー」
・ヒーローごっこで「シャキーン」
・電車ごっこで「ガッタンゴットン」
③歌唱
・ぶんぶんぶん「ぶんぶんぶん はちがとぶ」
・とけいのうた「コチコチカッチン おとけいさん」
・いとまき「ひーいてひーいて トントントン」
オノマトペに関する研究は様々ありますが、「動作」に関するオノマトペが一番多く使われており、「気分・心情」に関するオノマトペはほとんど無いという結果が多く見受けられます。
このように、オノマトペは物事の動きを表現するために用いられることが多く、それは、子どもにとって言葉ではなかなか言い表せない表現を、オノマトペが代弁しているということになります。
また、リズム性のあるオノマトペは、身体表現を容易に導くという特徴もあります。
■イメージ力を引き出す『オノマトペ』
次に、この一番よく使われる「動作」に関するオノマトペを使って、幼児が1人で動く場合と、グループ(3~4人)で動く場合の、イメージ力の違いの研究をご紹介します。
【オノマトペからイメージしたもの(上位3つ)】
対象:5歳児
①「ピョンピョン」
個人:うさぎ・カエル・カンガルー
グループ:うさぎ・カエル・カンガルー
②「クルクル」
個人:イメージなし・コマ・フープ
グループ:扇風機・ヘリコプター・風車
③「コロコロ」
個人:イメージなし・ダンゴムシ・どんぐり
グループ:ダンゴムシ・ボール・どんぐり
④「ブーンブーン」
個人:ハチ・車・イメージなし
グループ:ハチ・車・ハエ
この研究から、「ピョンピョン」は個人とグループでイメージの差は無かったのですが、その他は、1人ではイメージがつきにくかったものでも、グループになると「イメージが増している=イメージ力が引き出されている」ということが分かります。
また、以下の表からも、1人で動くよりグループでお友達と一緒に動く方がイメージの種類が広がっています。
グループになると、各々のイメージが深まることで、豊かなイメージ力や表現力を養うことにもつながるのですね。
■まとめ
普段何気なく使っている『オノマトペ』。この言葉には、子どものイメージ力や表現力を引き出す効果がありました。
ママたちはこの言葉の意味や目的を理解しながら、お子さまがお友達など複数人で遊んでいる場合にも、是非、オノマトペを取り入れてみてください。
ママと1対1の場合よりもより効果的であると共に、子どもたちの表現力がますます豊かになり、世界観がより一層広がることでしょう。
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参考文献:
幼児の生活に見られるオノマトペ
https://tokoha-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=1443&file_id=22&file_no=1
保育者が用いるオノマトペの世界
http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/2/26805/20141016155149116553/HPR_8_255.pdf
幼児の身体表現活動を引き出す言葉かけ
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11037847_po_ART0010053732.pdf?contentNo=1&alternativeNo=
こどものうたにおけるオノマトペに関する一考察